2025年7月に発表された全国学力テストの結果から、沖縄県の小中学生の学力状況に改めて注目が集まっています。
参考記事:
▶︎ 全国学力テスト 沖縄は全教科で平均下回る 学習意欲に課題も(Yahoo!ニュース)
▶︎ 国語と算数・数学は小中で下落 学力テスト、全国平均公表―文科省(時事通信)
両記事によると、沖縄県は全教科で全国平均を下回り、とくに算数・数学においてその差が大きくなっています。
小学6年生(2025) | |||
---|---|---|---|
国語 | 問題 | 解答 | 解説 |
算数 | 問題 | 解答 | 解説 |
理科 | 問題 | 解答 | 解説 |
中学3年生(2025) | |||
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国語 | 問題 | 解答 | 解説 |
数学 | 問題 | 解答 | 解説 |
理科 | 問題 | 解答 | 解説 |
理科補助 | アニメ① | アニメ② | 動画① |
動画② | 動画③ | 動画④ | |
動画⑤ | 動画⑥ | 動画⑦ | |
動画⑧ |
学力テストの結果から見える現状
文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査(2025年度)によると、小学6年生・中学3年生ともに、沖縄県は国語・算数(数学)・理科のすべてで全国平均を下回りました。
学年 | 教科 | 沖縄県 | 全国平均 | 差 |
---|---|---|---|---|
小学6年 | 国語 | 66.4% | 71.2% | -4.8% |
算数 | 51.1% | 59.2% | -8.1% | |
理科 | 55.7% | 63.6% | -7.9% | |
中学3年 | 国語 | 48.5% | 55.7% | -7.2% |
数学 | 40.6% | 53.3% | -12.7% |
とくに中学3年生の数学では、12.7ポイントもの差があり、全国最下位という結果となりました。
原因はどこにあるのか?
「学校の先生が悪いのでは?」と感じるかもしれませんが、決してそうではありません。多くの学校では、学力向上のために補習や個別指導を行うなど、できる限りの支援を行っています。
しかし沖縄県では、教員の人材不足や、1人の先生が抱える生徒数の多さ、家庭との連携不足などがあり、「学力の定着」に必要なフォローアップ体制が万全とは言えないのが現状です。
公立と私立の「学力格差」
沖縄県では、教育に対する意識の高い家庭が私立中学・高校に進学させる傾向があり、私立の生徒の学力は全国平均と比べても見劣りしないという声もあります。
一方、公立中学校では部活動や行事に重きを置く傾向があり、学習時間が十分に確保できていないケースもあるようです。このように、家庭環境や進学先によって、学力に差が生じているのが現実です。
中学生になっても「計算力不足」が深刻
学習塾の現場では、「中学3年生でも四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)ができない」という声をよく耳にします。
数学だけではありません。国語では「文章をまとめる力(要約力)」、英語では「語彙力」、理科や社会では「基本語句の暗記」が不足しているケースも多く見られます。
学力を支える基礎が定着していなければ、どれだけ難しい問題に取り組んでも、なかなか結果はついてきません。スポーツにおいても基礎練習が大事なように、勉強でも「基礎の反復」がとても大切です。
沖縄の「部活動文化」と学力の関係
沖縄の中学校は、部活動に非常に力を入れており、全国大会に出場する部も多くあります。これは県民として誇れることです。
しかし、部活動に割く時間が長く、学習時間が後回しになりがちです。
また、多くの生徒が「部活を引退してから塾に通い始める(中3の7月以降)」という流れが一般的で、学習の準備が遅れがちになります。
一方、例えば神奈川県では、小学4年生から高校受験を見据えて塾に通う家庭が多く、中学1年生の段階で8割以上が通塾していると言われます。この差は、数年後に大きな学力格差として表れます。
学校と民間教育の「二人三脚」がカギ
学力向上のためには、学校教育だけに依存せず、家庭・地域・民間教育が連携し合うことが重要です。
部活動でも、県外の専門指導者やコーチを招くように、学習においても「プロの手」を借りることが、子どもの可能性を広げる一歩になるかもしれません。
「私立」という選択肢も検討してみては?
沖縄県では、私立高校に対して年額47万円の授業料補助制度があります。これにより、経済的負担をあまり感じることなく、私立校の教育環境を選択することも可能です。
中学校も同様に、私立校であれば部活と学習のバランスが取れた教育体制が整っているところも多く、今後は「学習環境重視」の選択肢が増えてくるかもしれません。
最後に:家庭ができること
保護者の皆さまにお伝えしたいのは、学力テストの結果は「子どもの未来が決まった」という意味ではありません。
むしろ、今どこが課題かを知る「きっかけ」として受け止め、家庭での学習習慣や塾などの外部支援を見直すチャンスです。
学校と家庭で学ぶことを分けて考え、「学校は社会性・協調性」「家庭は学習・価値観」と役割を明確にすると、お子さんの成長を多角的に支えることができます。
まとめ
- 沖縄県の小中学生は学力テストで全国平均を下回っている
- 特に数学の基礎力不足が目立つ
- 部活動への注力が学習時間の確保を難しくしている
- 私立と公立で学力格差が拡大している可能性がある
- 早期の通塾や家庭学習が将来に大きく影響する
- 家庭と学校、そして地域が協力する体制が必要
- 学力向上のために「今できること」から始めよう
お子さんの未来は、今の積み重ねで変えることができます。焦らず、あきらめず、できることから一緒に取り組んでいきましょう。
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