科学が証明した「成績が上がる勉強法」~確認テストと解き直しが学力を伸ばす理由~

本記事要約


本記事では、教育心理学の研究(Dunlosky et al., 2013)をもとに、成績が上がる勉強法について解説しています。研究では、最も効果が高い学習法として「確認テスト(問題を解いて思い出す学習)」と「時間を空けた復習」が挙げられています。沖縄進学塾でも、授業だけでなく演習・確認テスト・模試の解き直しを重視し、弱点を個別に補強する学習を徹底しています。学力を伸ばすために大切なのは、特別な裏技ではなく、効果が証明された方法を長期間継続することです。勉強もスポーツと同じで、王道の反復練習を積み重ねることが、最終的な成績向上につながります。

はじめに

「もっと効率のよい勉強法はありませんか」

中学生や保護者の方と話していると、よくこの質問を受けます。たしかに、限られた時間の中で成果を出したいと思うのは自然なことです。しかし、教育心理学の有名な研究を読むと、学力を本当に伸ばす方法は、意外なほど王道です。

今回ご紹介するのは、教育心理学の分野で広く知られている論文
『Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques』です。

この論文では、学生がよく使う勉強法を整理し、どの方法が本当に学習効果を持つのかを、多くの研究をもとに検討しています。
結論を先に言えば、学力を伸ばすうえで特に重要なのは、確認テスト時間を空けた復習です。

この結論は、沖縄の高校受験・中学受験の現場で日々生徒を見ている立場からしても、非常に納得感があります。派手な裏技ではなく、地味でも効果の高い方法を、意思をもって続けること。それが学力上昇の本質だと、私は考えています。

参考記事の要約

参考論文:
Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques(PDF)

この論文では、学習者が使いやすい10種類の勉強法を整理し、それぞれについて「どれくらい広く効果が見込めるか」を検討しています。単純な人気ランキングではなく、年齢、学力層、教材の種類、テストの種類などをまたいで使えるかどうかまで含めて評価している点が特徴です。

学習法 内容 論文の評価
Elaborative interrogation 「なぜそうなるのか」を自分に問い、理由を考える学習
Self-explanation 自分で理由や手順を説明する学習
Summarization 内容を要約する学習
Highlighting / Underlining マーカーや下線を引く学習
Keyword mnemonic 語呂合わせや連想で覚える学習
Imagery for text learning 文章内容を頭の中でイメージ化する学習
Rereading 読み直しをする学習
Practice testing 問題を解き、「思い出す」練習をする学習
Distributed practice 時間を空けて繰り返し復習する学習
Interleaved practice 違う種類の問題を混ぜて解く学習

特に重要なのは、次の2つです。

効果が高い学習法 具体的な内容 なぜ重要か
Practice testing 確認テスト、問題演習、小テスト、模試、過去問演習、解き直し 知識を「見る」のではなく「思い出す」ことで記憶が強くなる
Distributed practice 1回で詰め込まず、日を空けて復習を繰り返す 忘れかけた時に再確認することで長期記憶になりやすい

ここで大切なのは、論文が「要約」や「マーカー」や「読み直し」にまったく意味がない、と言っているわけではないことです。あくまで、どの条件でも広く安定して高い効果があるとは言いにくい、という意味です。つまり、勉強法としてより信頼しやすいのは、確認テスト時間を空けた復習だということです。

勉強の本質は「分かったつもり」から抜け出すことにある

この論文を読んで、個人的に最も強く感じたのは、学力を上げるためには、結局習ったことの確認テストの徹底模試の解き直しの徹底が大事だということです。

教科書を読んで「なるほど」と思うことは大切です。授業を聞いて「分かった」と感じることも必要です。しかし、学力は「分かったつもり」では伸びません。本当に伸びるのは、自分の頭から知識を取り出そうとしたときです。

たとえば英単語でも、社会の年代でも、数学の解法でも、ノートを見れば分かる状態と、何も見ずに答えられる状態では、大きな差があります。試験本番で必要なのは後者です。だからこそ、確認テストや問題演習が必要になります。

教育の現場では、どうしても「授業がよければ成績が上がる」と考えたくなります。もちろん、授業の質は重要です。ただ、授業は入口にすぎません。入口で理解した内容を、演習によって使える形に変え、さらに解き直しによって定着させる。ここまで行って初めて、点数につながる学力になります。

沖縄進学塾が徹底していること

この論文を読みながら、私は「沖縄進学塾が日々やっていることは、やはり間違っていなかった」と感じました。個人的な意見としてですが、この研究で高く評価されている方法を、沖縄進学塾はかなり徹底しているからです。

中学校3年生になると、授業カリキュラムはできるだけ早く追い、演習量を確保します。これは、授業を軽く見るためではありません。逆です。授業内容を早めに一通り押さえることで、その後に必要となる確認テスト過去問演習模試の解き直し弱点補強の時間をしっかり確保するためです。

沖縄進学塾で重視する流れ 内容
授業 基本事項を一通り理解する
確認テスト 習った内容をすぐに思い出す練習をする
演習 問題を解き、知識を使える形に変える
解き直し 間違えた理由を確認し、同じミスを減らす
個別対応 分からない点を一人ひとり補強する
反復 日を空けながら再度確認し、定着させる

こうした学習を続けると、生徒たちはかなりの勉強量になります。解き直しだけでも、体感としては辞書の2倍ほどの厚みになることがあります。確認テストも重なると、さらにその上です。軽い勉強ではありません。しかし、それだけの量を通して、知識は「見たことがある」から「自分で使える」へと変わっていきます。

「効果が高い」ことと「短時間で済む」ことは別である

ここで一つ、勘違いしてはいけないことがあります。

この論文が示しているのは、「効果が高い勉強法がある」ということです。けれども、それは「短時間で済む」という意味ではありません。むしろ逆に、効果の高い勉強法ほど、意思をもって継続しなければ意味がありません。

たとえば確認テストは、一度やっただけで魔法のように成績が上がるものではありません。解き直しも、一回解いて終わりでは効果が薄いです。重要なのは、思い出す作業を何度も繰り返すことであり、忘れかけた頃にもう一度触れることです。

人の脳はアナログです。ここでいうアナログとは、機械のように一度入れた情報を永久保存してくれるわけではなく、時間がたつと少しずつ忘れていく、という意味です。だから、勉強はどうしても反復が必要になります。

最近は「効率的な勉強法」という言葉がよく使われます。もちろん、無駄の多い勉強より、効果の高い勉強の方が望ましいです。ただ、個人的な意見としては、「効果的な勉強」はあっても、「楽をしながら大きく伸びる勉強」は、そう簡単には存在しないと思います。

最低でも、偏差値50以上の国立大学を本気で目指すような勉強を経験した人なら、この感覚はよく分かるのではないでしょうか。成績が上がる過程は、決して華やかではありません。覚えては忘れ、解いては間違え、またやり直す。その積み重ねです。

スポーツの強豪校が強い理由と、勉強が伸びる理由は似ている

このことは、スポーツで考えると分かりやすいかもしれません。

伝統校や強豪校がなぜ強いのか。もちろん才能ある選手が集まりやすいという面もありますが、それ以上に大きいのは、王道を長期間続けていることです。基礎練習を行い、練習試合で試し、反省点を持ち帰り、また日々の練習に落とし込む。この循環があるから、少しずつ差がついていきます。

スポーツ 勉強
基礎練習 授業・基本問題
練習試合 確認テスト・模試・過去問
試合後の反省 解き直し・間違い分析
再トレーニング 弱点補強・再演習
長期的な継続 分散復習・反復学習

勉強も同じです。王道から逃げず、効果が高いと分かっていることを、長期間、持続的に行う。これが結局いちばん強いのです。

偏差値を上げるために本当に大事なこと

偏差値を上げるうえで大事なのは、特別な才能でも、目新しい裏技でもありません。もちろん、理解の早い子、飲み込みの速い子はいます。しかし、多くの中学生にとってより重要なのは、効果的な方法を持続的に、長期間行うことです。

確認テストをやる。間違えた問題を解き直す。模試の復習をする。少し日を空けてもう一度やる。この繰り返しが、最終的には大きな差になります。

点数が伸びないとき、人はつい「もっと別の方法があるのではないか」と探したくなります。ですが、そこで王道から外れてしまうと、かえって遠回りになることも少なくありません。勉強は、派手な方法を探す競争ではなく、再現性の高い方法を続ける競争です。

中学生と保護者の方へ

中学生のみなさんへ。勉強で大切なのは、頭がよく見えることではありません。大切なのは、間違えた問題から逃げず、もう一度向き合うことです。確認テストで思い出せなかったことは、次に思い出せるようにすればいい。模試で失敗した単元は、入試までにできるように変えていけばいいのです。

保護者の皆さまへ。お子さまの勉強を見ていると、「もっと効率よくできないのか」と感じることがあるかもしれません。けれども、研究が示しているのは、結局、確認テストや解き直しのような地道な方法が強いということです。もし家庭で支えるなら、「まだできていないところを責める」よりも、「解き直しを続けられる環境をつくる」ことの方が、はるかに意味があります。

受験は、ある日突然強くなる世界ではありません。毎日の積み重ねが、ある時期にまとめて点数として現れます。沖縄の受験生たちを見ていても、そのことはいつも感じます。だからこそ、勉強もスポーツと同じように、王道を信じて進むべきだと思うのです。

まとめ

この論文が教えてくれるのは、学力を伸ばす方法は、決して神秘的なものではないということです。

  • 確認テストを行う
  • 模試や過去問を解き直す
  • 時間を空けて復習する
  • 分からないところを個別に補強する
  • それを長期間、続ける

結局、成績を伸ばす生徒は、この王道をきちんと歩いています。勉強も、近道を探すより、効果的な方法を信じて続けることの方が強い。私は、これが教育の現場で何度も確かめられてきた事実だと思っています。

沖縄で中学受験・高校受験に向き合うご家庭にとっても、この視点はとても大切です。目の前の一回のテストの点だけに一喜一憂するのではなく、確認テストと解き直しを積み重ねる中で、子どもが少しずつ強くなる。その変化を見ていくことが、結局は合格への一番確かな道なのではないでしょうか。


執筆者情報
比嘉 大(ひが たけし)
沖縄県を拠点に、中学受験・高校受験に関する情報発信を行う教育インフルエンサー。講師歴20年以上。学習塾の運営のほか、調剤薬局、ウェブ制作会社、ウェブ新聞「泡盛新聞」の経営など、25歳で起業して以来、自社7社・間接経営補助10社を展開。「教育が沖縄を活性化させる」という志を持ち、地域学力や家庭教育の課題について積極的に発言している。

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