明治天皇(めいじてんのう)のもと、薩摩藩(さつまはん)と長州藩(ちょうしゅうはん)を中心とする政治が行われるようになった。これを藩閥政治(はんばつせいじ)という。江戸時代の幕府を倒した中心勢力が薩摩・長州であったため、政府の重要な役職をこれらの出身者が多く占めたのである。政府は、江戸時代の仕組みを大きく変えるため、明治維新(めいじいしん)とよばれる改革を進めた。まず、土地と人はすべて天皇を中心とする国のものとする版籍奉還(はんせきほうかん)を行い、さらに藩を廃止して国が直接支配する県を置く廃藩置県(はいはんちけん)を実施した。これにより、日本は全国を一つの基準で治める中央集権国家となった。また、外国と対等な近代国家を目指すため、都を京都から東京へ移した。国家の基盤が整うと、政府は「国を豊かにし、軍を強くする」ことを目標に、富国強兵(ふこくきょうへい)と殖産興業(しょくさんこうぎょう)をスローガンとして掲げた。外国に侵略されないためには強い軍隊が必要だと考え、国民から兵士を集める徴兵令(ちょうへいれい)を出した。また、近代国家を支える国民を育てるため、全国に学校をつくる学制(がくせい)を定めた。さらに、政府は税の制度も改めた。それまでの年貢は米で納めるのが基本であったが、これでは財政が不安定になるため、税を現金で納めさせる地租改正(ちそかいせい)を行った。これにより、政府は安定した収入を得られるようになり、軍備や産業に資金を回すことができるようになった。しかし、薩摩・長州出身者が政治を独占する藩閥政治に不満をもつ人々も増えていった。こうした中、朝鮮への対応をめぐる征韓論(せいかんろん)をきっかけに政府は分裂した。政府を去った板垣退助(いたがきたいすけ)は、国民の意見を政治に反映させるべきだと考え、自由民権運動(じゆうみんけんうんどう)を始めた。板垣は民選議院設立建白書(みんせんぎいんせつりつけんぱくしょ)を政府に提出し、国民が選んだ議員による議会の設立を求め、土佐で立志社(りっししゃ)を結成した。同じく政府を去った西郷隆盛(さいごうたかもり)は、政府の方針に不満を持つ士族を率いて西南戦争(せいなんせんそう)を起こしたが、政府軍に敗れ戦死した。これにより、士族による反乱は終わり、政府の支配体制はさらに強固になった。政府は国民の要求を受け、将来国会を開くことを約束したが、その前に国の政治の基本となる憲法を整える必要があった。そこで伊藤博文(いとうひろぶみ)をヨーロッパに派遣し、天皇の強い権限を認めるドイツの憲法を参考に、大日本帝国憲法(だいにほんていこくけんぽう)を制定した(1889年2月11日)。この憲法は、天皇が国の中心となる天皇主権の憲法であった。伊藤博文は初代内閣総理大臣となり、翌年には帝国議会(ていこくぎかい)が開かれ、選挙によって衆議院議員が選ばれるようになった。一方、日本は外国との間で結ばれていた不平等条約の改正を目指した。岩倉具視(いわくらともみ)は欧米を視察して近代国家の制度を学び、井上馨(いのうえかおる)は西洋風の社交場である鹿鳴館(ろくめいかん)を建て、外交による条約改正を試みたが失敗した。その後、ノルマントン号事件をきっかけに、陸奥宗光(むつむねみつ)がイギリスと交渉し、ついに治外法権の撤廃に成功した。政府はさらに国力を高めるため、朝鮮への進出を進めた。甲午農民戦争(こうごのうみんせんそう)をきっかけに日清戦争(にっしんせんそう)が起こり、日本は勝利した。続いて日英同盟(にちえいどうめい)を結び、日露戦争(にちろせんそう)にも勝利した。これらの戦争を通して日本は列強の一員として認められるようになり、1910年には朝鮮を植民地とする韓国併合(かんこくへいごう)を行った。

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キーワード
<明治維新と政治体制>
•明治天皇(めいじてんのう)
•明治維新(めいじいしん):政治を一新
•藩閥政治(はんばつせいじ):薩摩・長州中心
•薩摩藩(さつまはん)・長州藩(ちょうしゅうはん)
•五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)
•五榜の掲示(ごぼうのけいじ)
•版籍奉還(はんせきほうかん):土地・人は国のもの
•廃藩置県(はいはんちけん):藩を廃止し県を設置
•中央集権国家(ちゅうおうしゅうけんこっか)
•東京遷都(とうきょうせんと)
<富国強兵・殖産興業>
•富国強兵(ふこくきょうへい)
•殖産興業(しょくさんこうぎょう)
•徴兵令(ちょうへいれい):国民皆兵
•学制(がくせい):学校制度
•地租改正(ちそかいせい):税を現金で納める
•地券(ちけん):土地所有の証明
•官営工場(かんえいこうじょう)
•富岡製糸場(とみおかせいしじょう・群馬県)
•開拓使(かいたくし)
•屯田兵(とんでんへい)
<文明開化>
•文明開化(ぶんめいかいか)
•太陽暦(たいようれき)
•福沢諭吉(ふくざわゆきち)
•『学問のすすめ』
<政府分裂と国民運動>
•征韓論(せいかんろん):朝鮮への対応
•板垣退助(いたがきたいすけ)
•自由民権運動(じゆうみんけんうんどう)
•民選議院設立建白書(みんせんぎいんせつりつけんぱくしょ)
•立志社(りっししゃ)
•愛国社(あいこくしゃ)
•国会期成同盟(こっかいきせいどうめい)
•西郷隆盛(さいごうたかもり)
•西南戦争(せいなんせんそう)
<政党の成立>
•自由党(じゆうとう):板垣退助
•立憲改進党(りっけんかいしんとう):大隈重信(おおくましげのぶ)
<憲法と議会>
•伊藤博文(いとうひろぶみ)
•大日本帝国憲法(だいにほんていこくけんぽう)
•欽定憲法(きんていけんぽう)
•天皇主権(てんのうしゅけん)
•1889年2月11日
•初代内閣総理大臣
•帝国議会(ていこくぎかい)
•衆議院(しゅうぎいん)
•貴族院(きぞくいん)
•教育勅語(きょういくちょくご):忠君愛国
<条約改正と外交>
•不平等条約(ふびょうどうじょうやく)
•岩倉具視(いわくらともみ):欧米視察
•井上馨(いのうえかおる)
•鹿鳴館(ろくめいかん)外交
•ノルマントン号事件
•陸奥宗光(むつむねみつ)
•治外法権撤廃(ちがいほうけんてっぱい)
•小村寿太郎(こむらじゅたろう)
•関税自主権回復(かんぜいじしゅけんかいふく)
<戦争と植民地化>
•甲午農民戦争(こうごのうみんせんそう)
•日清戦争(にっしんせんそう)
•下関条約(しものせきじょうやく)
•三国干渉(さんごくかんしょう)
•八幡製鉄所(やはたせいてつしょ・福岡県)
•日英同盟(にちえいどうめい)
•日露戦争(にちろせんそう)
•ポーツマス条約
•日比谷焼き討ち事件(ひびややきうちじけん)
•韓国併合(かんこくへいごう):1910年
<社会問題・文化>
•足尾銅山鉱毒事件(あしおどうざんこうどくじけん)
•田中正造(たなかしょうぞう)
•北里柴三郎(きたさとしばさぶろう):破傷風・ペスト
•野口英世(のぐちひでよ):黄熱病
•夏目漱石(なつめそうせき)
•樋口一葉(ひぐちいちよう)『たけくらべ』
•大逆事件(たいぎゃくじけん)
•幸徳秋水(こうとくしゅうすい)

















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