参考記事の要約
今回ご紹介するのは、佐藤亮子さん(通称・佐藤ママ)と中学受験カウンセラーの安浪京子さんの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)の一部を紹介した記事です。
➡ 佐藤ママ「親の欲と期待は小6年の夏頃には捨てて」
- 第1志望合格だけが成功ではない。親が欲や期待を手放し、冷静に子どもを見極めることが大切。
- 不合格を想定した準備を早くから行うことで、親も前向きになれる。
- 親の態度が子どもに影響。親が進学先を楽しんでいれば、子どもも前向きに受け止めやすい。
- 一族や親戚からの期待に縛られず、親が子どもを守ることが大切。
- 無理な期待は子どもを潰す。子どもの幸せを優先する姿勢が重要。
私自身の現場での気づき
私は沖縄で進学塾を運営し、高校受験を中心に多くの中学生と保護者に向き合ってきました。現在は高校受験指導が中心ですが、この記事を読んで「中学受験」に関する話はそのまま沖縄の高校受験にも当てはまる、と強く感じました。
進路指導の場で「この志望校、本当に子ども本人の意思なのか?」と思うことは少なくありません。親のアドバイスはもちろん大切ですが、それが「助言」ではなく「圧力」となり、子どもを追い詰めてしまうケースにしばしば出会います。
だからこそ私は、保護者の意見を大切にしつつも、最終的には生徒本人の心の声を掘り下げることを大切にしています。
沖縄進学塾での具体的な事例
事例① 親の意向で進路を閉ざされたケース
ある生徒は「沖縄国立高専」を強く希望していました。本人はものづくりが大好きで、自分の将来像を持っていました。
しかし、保護者の意向で「高専受験はダメ」と止められてしまい、近隣の高校へ進学。結果的にモチベーションが続かず、高校1年で中退してしまいました。
親の期待で子どもの進路を縛るリスクを痛感した出来事でした。
事例② 管理型の学校を選んで成功したケース
一方で、自由な環境を望む子に対して、相談の末あえて「厳しい管理型」の学校を選んだこともあります。
ある生徒は沖縄国立高専を希望しましたが、サボり癖がありました。そこで保護者と話し合い、沖縄尚学の難関国立・医学科コースを選択。
厳しい環境に身を置いたことで勉学に励み、本人も「この選択は良かった」と今でも塾に報告に来てくれます。
この事例は「親と子の意向が食い違っても、話し合いの末に納得できれば成功につながる」好例でした。
親子で進路を考える際のポイント
子どもの進路は将来の職業や人生に直結します。そのため私は指導の際、「事実」と「解釈」を分けることを大切にしています。
事実:現在の偏差値、成績、進学先のカリキュラムや卒業後の進路、職業の給与や労働環境。
解釈:本人がその進路をどう感じるか、どのような思いを持っているのか。
この二つを混同すると誤解が生じます。事実を踏まえつつ、子ども自身の解釈を大切にすることが、より良い進路選択につながります。
親の姿勢が未来を決める
子どもの成長は本当に早く、親としては危なっかしく見える場面も多いものです。だからといって、親の理想を押しつけてはいけません。
私自身も親として、子どもと話すときは必ず
「なぜそう思ったの?」
「どうしてそうしたいの?」
と問いかけるようにしています。
答えが曖昧なときは、一緒に調べたり考えたりしながら、本人が自立できるよう伴走します。
そして、親と子の思いが一致したとき、その力は何倍にもなります。そんな生徒は本当に驚くほどの成果を出します。だからこそ、塾の進路指導でも「親子の方向性を揃えること」を大切にしているのです。
まとめ──親の期待を手放す勇気
佐藤ママの言葉にもあるように、「親の欲と期待は小6の夏頃に捨てる」ことは、高校受験やその先の人生にも通じる真理だと感じます。
受験のゴールは「第1志望合格」ではありません。
「子どもが合格できる学校に進み、その学校で充実した6年間を過ごすこと」こそが、子どもにとっての幸せです。
親が笑顔でその学校を受け入れ、前向きに楽しむ姿を見せることで、子どもも安心し、自分の母校を誇れるようになります。
あとがき
沖縄の教育現場でも、親子の思いや期待が交錯する進路相談は日常茶飯事です。だからこそ私は、「子どもの本当の声を大切にすること」を軸に、保護者とともに歩んでいます。
この記事が、沖縄で高校受験や中学受験を控えるご家庭にとって、少しでも参考になれば幸いです。そして、沖縄の教育に関する正しい情報発信を続けることが、私の役割だと感じています。
✅ 沖縄の受験情報や教育事情は、今後もブログやSNSで発信予定です。地域教育に関心のある方、ぜひチェックしてみてください。
きっとテレビや新聞などでも話題になるような「沖縄教育の最新トピック」に出会えるはずです。
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