参考記事の要約(受験系YouTuber「学歴はめちゃくちゃ大事」東大生が「なんだ。早稲田か」と思うのは当たり前の話)
受験系YouTuber「wakatte.TV」のびーやま氏は、「学歴はめちゃくちゃ大事だ」と明言し、巷にある「学歴は関係ない」という風潮に真っ向から反論しています。氏は、学歴フィルターや学閥といった構造が現実に存在することを例に挙げながら、大学受験が「勝ち組」と「負け組」を分ける第一の分岐点であると語ります。学歴は一度得れば一生ものの「武器」であり、持っていて損はない。ルールが決まっている社会においては、そのルールを理解し活用するのが賢明な生き方であり、それが学歴であると主張します。ただし、偏差値や大学名だけを指すのではなく、「自分の納得する選択」が本当の意味での成功につながると締めくくっています。
学歴か、戦略か——目的を見失わないために
このびーやま氏の主張を読んで、まず感じたのは「学歴は確かに大事。しかしそれ以上に大切なのは“目的”である」ということです。たとえば、TOYOTAに就職したいという夢があるとします。その場合、東京大学工学部に進学することが本当に最善のルートでしょうか?
もちろん、東大は国内トップの大学であり、就職でも評価されます。しかし、場合によっては国立高専で実務力を鍛えたほうがトヨタの現場で重宝されるかもしれません。あるいは、トヨタが出資して設立した「海陽中等教育学校」という教育機関のルートを活用するほうが戦略的と言える可能性すらあるのです。
このように、学歴だけを目標に据えてしまうと「目的のない努力」になってしまうことがあります。大切なのは、「自分の行きたい場所」に一番近いルートを見つけること。その上で、学歴という“武器”をどう使うかが問われているのです。
学歴の“消費期限”と社会人のリアル
20代では、学歴が自己紹介代わりになることも多いでしょう。「どこ大学?」と聞かれて「東大です」「早稲田です」と答えれば、ある程度の尊敬や信頼を得やすくなります。
しかし、30代・40代にもなって、いまだに学歴でしか自分を語れないとしたら……それは少し寂しい話です。現実の社会では、「何をしてきたか」「どんな価値を生み出したか」が評価の軸になります。学歴は“入口のパスポート”であって、“人生のスコア表”ではありません。
AI時代の学力とは?
ここからは、少し未来の話をします。AIの進化により、知識や情報は誰でも瞬時に引き出せる時代になってきました。暗記や計算といった「知識を持っているだけ」の価値は、どんどん薄れています。
では、もう勉強は必要ないのでしょうか? 答えはNOです。むしろこれからは、「AIに何を聞くか」「返ってきた答えが本当に正しいか」を判断するための基礎知識と論理力がますます必要になります。つまり、「問いを立てる力」が学力の本質に近づいていくのです。
勝ち組・負け組ではなく、納得組へ
びーやま氏は「受験は勝ち組と負け組を分ける最初の分岐点だ」と言います。この言葉には確かに現実的な厳しさがあります。しかし、私はこう思います。
「勝ち」か「負け」かを決めるのは、他人ではありません。自分が選んだ道に納得できるかどうか。それが人生における“勝ち”の本質ではないでしょうか。
偏差値や大学名で自分を評価するのではなく、自分が何を目指し、何を選んだか。その選択が自分にとって意味のあるものだったなら、それは十分に「勝ち組」と言えると思うのです。
勉強の先にある「他者への貢献」
最終的に、学歴も知識も、すべては「誰かのために役立てる」ためにあるのだと思います。勉強は、自己実現のためであると同時に、社会貢献の土台でもあります。
学歴や資格を得ても、それを人の役に立てられなければ、意味は薄れます。逆に、学歴があまり高くなくても、人から「ありがとう」と言われる人生は、本当に価値あるものです。
だから私は、子どもたちにこう伝えたいのです。
「学歴で語られる人」ではなく、「感謝で語られる人」になってください。
中学生と保護者へ——いまこそ考える時
中学生の皆さんへ。
今、目の前にある受験勉強は、確かに苦しく、しんどいかもしれません。でも、これは「自分の未来を選べる力」を手に入れるための、かけがえのない時間でもあります。点数の上下に一喜一憂するだけではなく、自分がどう生きたいか、どんな人になりたいかを考えるきっかけにしてください。
保護者の皆さまへ。
子どもにとっての「正解」は、大人の視点からは見えにくいこともあります。学歴を道具として使えるように、「自分で選ぶ力」を育てること。そのサポートこそが、これからの時代に求められる親の役割だと思います。
まとめ:アイデンティティの源は“他者からの感謝”
びーやま氏の言う「学歴の重要性」は、多くの現実に即した意見です。一方で、それをどう扱うかは本人次第。大切なのは「何を成し遂げたか」「どんな影響を与えたか」そして「誰かに感謝される存在であるか」——それが、本当の意味での“価値ある人生”につながるのではないでしょうか。
学歴を手段とし、戦略を持って、他者と共に生きる。そんな未来を築ける中学生が、一人でも多く育っていくことを願っています。
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