AI時代の学び方、教師や保護者はどう関わる?

【参照記事の要約】

◆参照記事①:中学生の生成AIの利用 1年で倍増 親の利用率を上回る」(NTTドコモ モバイル社会研究所)
この調査では、中学生の生成AI利用率が13.3%と、保護者の9.0%を上回っていることが分かりました。1年間で利用率が倍増しており、特に関東の中学生で顕著です。また、親子そろって生成AIを使っている家庭はわずか2%。つまり、子どもが先にAIを使いこなし始めているのが現状です。

◆参照記事②:初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」(文部科学省)
文部科学省は、生成AIをただの便利ツールではなく、「思考力・判断力・表現力」を育てる補助的な存在として捉えています。児童生徒にはAIの正しい使い方とリスク理解を教え、教師や保護者にもAIリテラシーの向上が求められています。学校、家庭、行政が一体となり、安全で効果的なAI活用を目指すことが求められています。

変化の波に乗る子どもたち

最近、AIが私たちの身近な生活にどんどん浸透しているのを感じませんか?
たとえば、YouTubeの英語の動画が、今では自動的に日本語音声に切り替わったり。これはまさに生成AIの力によるもので、情報を得る手段が大きく広がっています。

このような技術の進化は、もはや「避けられない流れ」です。実際に、子どもたちは自然とAIを使いこなし始めています。そしてそれはデータにも表れています(参照記事①)。中学生の方が親よりもAIを使っている――これは、私たち大人が思っている以上に、大きな変化です。

取り残される大人たちと変わる教育の役割

一方で、私たち大人の中には「PCやスマホはちょっと苦手で…」と距離を置いてきた方も多いと思います。でも、今の時代、そのスタンスだけでは子どもたちの世界に追いつけなくなってきているのも事実です。

なぜなら、子どもたちはAIで情報をすばやく検索し、事実を確認(ファクトチェック)する力を身につけ始めているからです。もし大人が中途半端な知識で何かを言っても、「それ、ちょっと違うんじゃない?」と、子どもから指摘されることもあるかもしれません。

こうした状況で、教師や親がどんな役割を果たすべきか。私は「知識を教える人」から「学びを導く人」へと変わる必要があると感じています。

たとえば授業では、ただ正解を教えるだけではなく、「なぜその答えになるのか?」、「もし違う条件だったら?」といった思考のプロセスを丁寧に示すことが求められます。AIは結論を出すのは得意ですが、そこに至る過程や背景、文脈まではまだ完璧ではありません。その部分こそが、教師や大人の出番なのです。

新しい時代の学び方と親の役割

実際、私たち沖縄進学塾では、授業そのものよりも「自学自習できる力」を育てることを最も重視しています。自分で調べ、考え、学び取る。この力こそが、これからのAI時代に最も必要とされる力だと信じています。

そしてそのためには、AIはとても心強い味方になります。調べたいことをすぐに検索し、たくさんの情報から必要なものを選び取る。その力、つまり「情報を取捨選択する力」が、今後の学びではますます大切になるでしょう。

ここでひとつ、保護者の皆さんにおすすめしたいのは、「まずは自分でAIを使ってみること」です。ChatGPTやGeminiなど、スマホにアプリを入れるだけで無料で体験できます。使ってみると、「あ、こんなふうに使えるのか」と驚くことがたくさんあると思います。

そして、子どもたちと一緒にその体験を共有してみてください。「一緒に調べてみようか」「これ、AIに聞いてみたら?」という会話が、学びを深めるきっかけになるはずです。

もちろん、AIを使う上では注意点もあります。たとえば、AIが間違った情報を返すこともあるし、個人情報や著作権の問題もあります。文部科学省のガイドラインでも(参照記事②)、AI活用にはモラルやルールの理解が欠かせないと強調されています。

でも、だからこそ大人の役割があります。子どもが安全にAIと向き合えるように、「こういうときは注意してね」と伝えていくこと。それが保護者として、また教育者として、これからの重要な役割の一つになってくると思います。

子どもと一緒に学ぶ未来へ

最後に、私が何よりも大切だと思うのは、「保護者の視点」です。

子どもは、親の背中を見て育ちます。親が学び続ける姿、前向きに新しいことに挑戦する姿を見せることで、子どもたちも自然と高い視野を持つようになります。

そして、これからの教育の大きな流れとして、思考力や判断力、情報の設計力がますます問われていくでしょう。入試問題でも、一問一答では解けない、複雑な思考を要する問題が増えてきています。これは、AIに代替されない「人間ならではの力」を測るための動きでもあります。

AI時代の教育では、知識の暗記だけでは足りません。その言葉の意味を深く理解し、自分の言葉で説明できる力こそが重要です。中途半端な理解にとどまらず、しっかりと深掘りしていくことが、これからの学びには求められています。

これからの時代を生きる中学生、そしてその子どもたちを支える保護者の皆さんへ。生成AIを正しく、上手に活用しながら、「考える力」「選ぶ力」「学び続ける力」を育てていきましょう。

そして、何より大切なのは、「子どもと一緒に、学ぶ姿勢を持つこと」。それが、どんな時代でも変わらない、最高の教育ではないでしょうか。

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